第36章

李承遠が本気で調べるつもりなら、公示システムのフロントエンドを見るだけでは終わらない。必ず原本ファイルの開示請求をしてくるはずだ。

葵はノートパソコンを閉じた。

李承遠が動く前に、この線を完全に消し去らなければならない。

スマホの画面が再び点灯した。悠でも、坂田弁護士でもなく――和也からだった。

メッセージはたった一行。

「明後日の話し合い、来る気はないんだな」

葵は三秒ほどそれを見つめ、返信はせずにスマホを裏返してデスクに置いた。

立ち上がり、窓辺へと歩み寄る。

ガラスの向こうには街の夜景が広がり、高層ビルの明かりがまばらに瞬いていた。

和也は弁護士を替え、戦略も変えてき...

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